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2014年 ドイツバンク選手権
期間:08/29〜09/01 場所:TPCボストン(マサチューセッツ州)

石川遼 ミケルソンに見た進むべき道

手応えを得られそうな時だったからこそ、余計に衝撃的だったのかもしれない。米国男子ツアーのプレーオフ第2戦「ドイツバンク選手権」2日目。予選落ちを喫した石川遼の心に刺さったのは同組でプレーしたフィル・ミケルソンが見せた“1ホール”。「非常にショックだった」と言葉を漏らした。

初日に7オーバーと出遅れた石川はこの日、1ストローク落としてハーフターン。ミケルソンが驚きのプレーを見せたのはその直後だった。後半1番は365ヤードと短くバーディを狙えるパー4。ほとんどの選手がティショット刻んでいくが、ミケルソンはドライバーを手にし、300ヤード先のフェアウェイを捕えた。

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するとミケルソンは、第2打を放つ直前、キャディの相棒ボーンをグリーンに走らせ、ピンを抜かせた。残りは80ヤード弱。64度のウェッジでチップインイーグルを狙ったのである。結局ボールは手前2メートルに止まり“バーディ止まり”。しかしビッグレフティに浴びせられる声援を聞きながら、石川は呆然としていた。

「なんでフィルがドライバーを握って、オレが握らないのかと。ゴルフをやっている次元が違う。左のハザードも近くて、すごく狭いホール。自分はドライバーにまだ自信を持てていないし、あの狭いところに打っていく技術もない。フィルの一打で、自分の気持ちではなく、技術のレベルがないと思った」

7月の「セガサミーカップ」直前、石川は米国から一時帰国した。北海道合宿を行ったのは、アイアン、そしてドライバーショットをよりアグレッシブなものにするべく、精度向上を目指してのものだった。日本を主戦場としていた頃のような、ドライバーを中心にティショットを組み立てるスタイル。それを模索していく決意を固めてまだ間もない。

前週の「ザ・バークレイズ」で1インチ短い45インチのドライバーを握り始めたのも、近い将来の精度の高いショットを求めるが故。ボールを曲がり倒しても、それを使い続けた今週の大会も米ツアー初制覇を目指す中での“通過点”といえた。だが、このホールで握れなかった。オナーのミケルソンのドライバーショットを見たにも関わらず、予選通過のためには奇跡的な挽回が必要な状況にも関わらず、フェアウェイウッドを振っていた。

次週の第3戦「BMW選手権」出場可否は、今大会における他選手の決勝ラウンドの出来によって決まる。そのため、この日のラウンドが石川の2013-14年シーズンの最後になる可能性がある。

「フィルの一打で、自分の気持ちではなく、技術のレベルがないと思った」

実感できたはずの成長が、すぐに手元を離れていく。果たして自分が前進しているかすら疑わしくなるのが、世界最高のツアーでの日常だ。けれど1年前の石川は、下部ツアー選手との入れ替え戦に出場していたはずだ。スーパースターから受けた無言の教訓もきっと、自分の足で歩いて得たものに違いない。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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