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2014年 WGCブリヂストンインビテーショナル
期間:07/31〜08/03 場所:ファイヤーストーンCC(オハイオ州)

キーガン・ブラッドリー 2年前のスーツケースを開けないワケ

2年に1度開催される米国選抜対欧州選抜の対抗戦「ライダーカップ」は、日本人が出場しないことで日本での知名度はそれほど高くはないようだが、ゴルフ界ではメジャー大会以上に盛り上がる大会として知られている。今年9月はスコットランドがその舞台。両チームのメンバー選考は、いよいよ佳境を迎えている。

米国チームの代表は、昨年のメジャー大会と今年の米国男子ツアーでの獲得賞金を元にしたポイントランキングの上位9人が自動選出され、残り3人はキャプテン推薦。そのランキング対象試合は次週の「全米プロゴルフ選手権」までの残り2試合となった。

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2年前の前回大会は、米国イリノイ州にあるメダイナCCで行われ、最終日のシングルス戦で6ポイント差を大逆転した欧州チームが勝利して「メダイナの奇跡」と呼ばれた。勝った欧州チームが歓喜した一方で、母国で負けた米国チームは落胆に打ちひしがれた。

その大会で「ライダーカップ」初出場を果たしたキーガン・ブラッドリーは、フィル・ミケルソンと組んだペアマッチで3戦全勝。闘志を前面に出したプレースタイルで米国チームのムードメーカー的存在として活躍したが、最終日のシングルス戦ではロリー・マキロイ(北アイルランド)に敗れて涙をのんだ。

メダイナから自宅へと戻ったブラッドリーが、2年近く経つ今も手をつけていないものがある。それは、悔しさの詰まったスーツケースだ。

「実際、(今週)家を出る前にそれを見たよ。ほんの一瞬、モチベーションを起こすためにその中に何が入っているか見ようと思ったんだ。中身は100%定かではない。汚れた服が入っているのは確かだけど、その瞬間を希望をもって待とうと思う。僕はライダーカップでプレーしたい。もしそれが実現したら、スーツケースを開けるときだ」。

ダスティン・ジョンソンが出場を取りやめて、現在のブラッドリーのランキングは15位で、9位のパトリック・リードとの差は約284ポイント。今週は獲得賞金1000ドルにつき1ポイント、次週のメジャー大会は1000ドルにつき2ポイントを獲得できる。もし今週優勝すれば、一気に1530ポイントを加算する計算だ。

「全米プロを勝つ前に、宣伝のために(優勝者に贈られる)ワナメーカー・トロフィーを持って欲しいと言われたけど、それは断った。変わったやつだと思われたかもしれないけど、それは自分の中では1つの迷信なんだ」と振り返ったブラッドリー。良く聞く話だが、“勝つまでは優勝トロフィーに触らない”というジンクスを守り通して、2011年には自力でそのトロフィーを手に入れた。

「僕は本当におかしな人間なんだよ。変わったことをたくさんやっている」というブラッドリーは、この日行われた「WGCブリヂストンインビテーショナル」3日目を終えて首位と6打差の4位タイにつけている。“スーツケースを開けない”というおかしなジンクスも、もしかしたら、それなりの効果を発揮しているのかもしれない。(オハイオ州アクロン/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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