単独首位で迎えた3日目のスタート前に棄権したH.メイハン。行き先は・・・（画像は前週の全英オープン：Andrew Redington／Getty Images）

雷雲接近の影響で80分の中断を挟んだ「RBCカナディアンオープン」3日目、最終組のハンター・メイハンとジョン・メリックのスタート時間は午後2時50分へとスライドされた。

メイハンがティオフに向けて練習場へ移動し、2球打ったところで彼のエージェントが走り寄ってきた。そして知らされたのは、メイハンの第1子を身ごもっている妻・カンディが破水し、病院へ運ばれているところだということ。メイハンはすぐに今大会を棄権することを決め、テキサス州ダラスへと飛ぶために飛行場へと向かった。

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メイハンは「少し前に妻のカンディの陣痛が始まったという知らせを聞いた。そのため、ダラスに戻るのでRBCカナディアンオープンを棄権しました。RBCとRBCカナディアンオープンに心からの感謝を表したい。カンディと私は、メイハン家に新しい仲間が増えることに興奮しており、我々は来年このRBCカナディアンオープンに戻ってくることを楽しみにしています」と声明を残した。

予選ラウンドをメイハンと共に回ったダスティン・ジョンソンは言う。「18番でそれを聞くまで知らなかった。でも、すべてがうまくいってくれるといいね。彼が棄権しなきゃいけないというのは望むべき出来事ではないけど、でも時にはこういったことも起こる。彼は今、すごく良いプレーをしているけど、しかたないね」。

すでにラウンドを始めていた松山英樹にとっては、寝耳に水。「え、棄権したんすか？なぜですか？」と目を丸くし、理由を聞くと「すごいっすね」と驚嘆。「名前が消えたらから、どんだけ凄いスコアを打ったのかなと思いましたよ」と笑った。

今週、カナダに来る前に病院に行ったというメイハン夫妻だが、当初の予定日は8月17日だったという。この話を聞いた女性記者は、「素敵ですね。ファンになりますね」とため息を漏らす。メイハン以外にも、フィル・ミケルソンやバッバ・ワトソンなど、家族を最優先に考えるというプロは多い。今季初優勝のチャンスも迷わず棒に振れるとは･･･、日本人がやったら少し照れくさいかも知れないが、メイハンの見方が少し変わったのは確かだ。（カナダ・オークビル／今岡涼太）