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6冠女王イ・ボミを、強かった宮里藍&不動裕理と比較してみた

今季7勝を挙げたイ・ボミはスタッツ上でも驚異の数字を残した

2015年の国内女子ツアーが、前週のメジャー「LPGAツアー選手権リコーカップ」で幕を閉じた。3月初めから9カ月間ほぼ毎週37試合が開催され、うち半数以上の22勝が海外勢によるもの。韓国人選手が6人で17勝(イ・ボミ=7、申ジエ=3、アン・ソンジュ=2、李知姫=2、チョン・インジ=2、キム・ハヌル=1)、台湾人選手テレサ・ルーの5勝がその内訳で、1988年のツアー制施行後では初めて、賞金ランクトップ5を海外勢が占める結果となった。

とりわけ年間7勝を挙げ、獲得賞金を前人未到の2億3049万7057円(国内男女ツアー史上最高額)とした今季のイ・ボミの強さは、総合表彰のメルセデスランキングをぶっちぎりでモノにしたことからも明らか。多くのゴルフファンにもひときわの印象を残すものだったろう。昨シーズンにアン・ソンジュがマークした「70.1324」の平均ストローク最少記録更新こそならなかったものの、各スタッツで4部門が1位となる他を圧倒する安定感で勝ち取った賞金女王だった。

「LPGAツアー選手権リコーカップ」の会場で日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長は、「年間を通じて安定して勝利数を重ねたボミさん、テレサさんの強さが光った1年だった」と総括。その際、年間勝利数で今回のイ・ボミと遜色ない成績を残したことがある日本人選手、不動裕理宮里藍の往時を引き合いに出し、看板選手の活躍を評していたのは印象的だった。

◎各スタッツの比較表

出場 勝利 平均ストローク パーオン率 平均パット数 パーセーブ率 イーグル数 平均バーディ数
2015年イ・ボミ 32 7 70.1914 74.5880 1.7589 89.5268 2(21) 3.7321(2)
2005年宮里藍 19 6 70.5902(2) 69.9454(5) 1.7624(2) 87.6138(2) 5(6) 3.7000
2005年不動裕理 24 6 70.5584 71.0678(2) 1.7594 88.0231 3(17) 3.7000
2004年不動裕理 23 7 70.6389 72.7623 1.7869(2) 89.2747 2(28) 記録なし
2003年不動裕理 24 10 70.2727 72.2944 1.7615 89.1053 記録なし

(※背景ピンクは部門1位、カッコ内は部門順位)

年間試合数や開催コース、セッティング、コンディション、クラブ、ボールなどが同一条件ではないことを承知の上で、LPGAが発表している各スタッツ項目を比較してみた。主要スタッツのいずれも、今年のイ・ボミが2003-05年に国内女子ゴルフの頂点にいた不動、宮里のそれを上回っている。出場試合数自体も多く、道具の進歩を差し引いたとしても、今年のイ・ボミがどれほど強かったかを理解せざるを得なくなる数値といえそうだ。

一方、日本勢は22歳の渡邉彩香が年間獲得1億円超えで賞金6位に入ったのが最高位。海外勢が席巻した一年を、小林会長は「世界で勝つ選手はこういうレベルだと、日本人選手は知ることができたと思う。『自分がどうしたら勝てるのか』というのは、ここを経ないと知り得ない。トップで戦うには、潜在能力を引き出していくしかない」とステップに意味付けた。「引き出しを持つためのハード面は、協会側が用意していかないといけない」と日本ツアーを舞台に、世界レベルを身に着ける後押しには前向きだ。

また、菊地絵理香藤田光里西山ゆかりがツアー初優勝を挙げ、ニューヒロインに名乗りを挙げた1年でもあった。来季の賞金シード選手は、直近5年とほぼ同等の平均年齢27.3歳。うち初シードは8人で、青木瀬令奈(22歳)、堀琴音(19歳)、松森彩夏(21歳)ら、今シーズン中にたびたびリーダーボードを賑わせてファンからの注目を集め始めた若手選手も加わっている。

2015年は試合開催のなかった週が、たったの2週だったが、新規の女子大会開催を望むスポンサー企業は今もなお後を絶たないと聞く。“藍ちゃんフィーバー”から10年、今年の国内女子ツアーは後に、やはり“イ・ボミ フィーバー”として振り返られる一年となるのか? それ以外のキーワードが後から浮上することになるのか。人知れず萌芽しているかもしれない新たなストーリーの種も見逃さないようにしたい。(編集部/糸井順子)

糸井順子(いといじゅんこ)
某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループ内では紅一点の存在だが、荒々しいトーナメント会場へ日々取材に足を運ぶ。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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