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イ・ボミのシューズ 2色の靴ひもに込めた願い

国内女子ゴルフツアーの今季賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国)が、左右の靴ひもの色が違うシューズをはくことがあるのをご存知だろうか。自身初の賞金女王、史上初の年間賞金2億円超えを成し遂げた「伊藤園レディス」の2日目も、そうだった。

銀色のシューズの右足には青色、左足には赤色のシューレース(靴ひも)が結んである。よく見ると、靴の側面には日本と韓国の国旗が並んでいる。「韓国と日本、わたしはどちらも大好き。2つの国で戦うプロゴルファーだから」という、イの思いが込められている。

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2010年に韓国ツアーで賞金女王となり、翌11年に日本ツアーに乗り込んだ。当時はほぼ無名の外国人選手の1人に過ぎなかった。日本語もままならず、状況は完全なアウェーだったが「日本のファンにしてみれば外国人選手なのに、韓国から来たわたしにもギャラリーの方が日本人選手と同じように応援してくれた。ビックリしたけど、うれしかった」と、当時の記憶は鮮明だ。

参戦2年目の12年に3勝、13年に2勝、昨年は4勝と勝利を積み重ねるに連れ、その実力、気さくな人柄、愛くるしいルックスにゴルフファンの注目度は高まった。今では、引き連れるギャラリー、サインを求める列は日本人選手を大きくしのぐほどだ。ツアー会場ではいつでも「ボミちゃん!」という声援が飛び交う。

そこに圧倒的な強さが加わった今季。7月に語った「引退も日本でしたい」というフレーズが、母国で物議をかもした。イにその意図はなかったが、日本のファンにとって嬉しい言葉となる一方、韓国のファンには別の印象を抱かせたのも事実だ。

イは「あの時は韓国のファンを悲しませてしまったけど、もちろん韓国で応援してくれるファンも大切。あの言葉は、自分を温かく迎えてくれた日本のファンの方への感謝の想いがあった」と語る。

悲願の賞金女王戴冠を決めた、きょう。韓国からはファンクラブのメンバーがそろいのフラッグを片手に駆けつけた。表彰式の後、イは家族やキャディ、スタッフらに加え、ファンらと一緒に記念写真に収まった。

最も近くて遠い国-。安倍晋三首相と朴槿恵大統領の初の首脳会談が実現したとはいえ、日韓両国のギクシャクした関係は続く。女子ツアーで韓国人選手が多く活躍する中で記事を書き、さまざまな反響に戸惑いを覚えることもある。

イはこう語った。「韓国と日本がもっと仲良かったらいいなと思うことはあります。でもスポーツの中では関係ない。だって韓国人選手を応援してくれるたくさんのファンがいるから」。

「来年は海外の舞台にも挑戦してみたい」と、米国ツアーへの挑戦も示唆する。シューズにはこれから、まだたくさんの国旗が並ぶかもしれない。(千葉県長南町/糸井順子)

糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

2015年 伊藤園レディス



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