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産休明けの茂木宏美が3位 ママさんVなら「成長戦略」に乗る?

3月27日~29日に開催された「アクサレディス in MIYAZAKI」(宮崎・UMKCC)では、“産休明け”の茂木宏美が1打差で優勝こそ逃したが、3位タイに入る健闘を見せた。もともとツアー6勝を誇る37歳の実力者だが、昨年6月にツアー復帰してから1年足らずでの復調は、国内女子ツアーに「女性の職場」としてスポットライトを当てるきっかけにもなりそうだ。

2010年に元スノーボード選手の窪田大輔さんと結婚した茂木は、その後もプレーを続け、11年5月に「ヨネックスレディス」、13年5月には国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」を優勝。同年8月に妊娠を発表し、妊娠7カ月目の同年10月「日本女子オープン」を最後に産休入りし、14年2月に長女和奏(わかな)ちゃんを無事出産した。

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育児世代の女性が働きやすい社会の実現は、日本の成長戦略を進める上での1つの課題として挙げられ、各分野での取り組みが注目を集めている。女子ツアーではどうか?

ツアーを統括する日本女子プロゴルフ協会は「トーナメント規定関連規定 産休制度」第2条で、「対象者に対して出産日から36カ月が経過するまでの間を限度として産休を認めるものとする」として産休制度を設けている。

対象者は「(同第1条、抜粋)前年度LPGA賞金ランキング50名までの者」。つまり、賞金シード選手のみ。「産休」が認められた選手は、その時点で持っているシードを一定条件下で凍結することができ、復帰した時にもシード選手として試合に出場できる。

出産から4カ月でツアーに復帰し、すでに18試合に出場しているが、その年のメジャーを制していた茂木はこの産休制度を利用。ツアー復帰後に、試合会場で大輔さんが和奏ちゃんの面倒を見ながらホールアウトを待つ姿は、ツアーですっかりおなじみとなり、もちろんアクサレディスの会場にもその姿があるような日常だ。米女子ツアーでは託児施設を備えている大会もあるというが、国内ではまだ聞かない。

13年9月に長男を出産し、茂木と同じ昨年6月にツアー復帰を果たした41歳の福嶋晃子は、直前でシード落ちしていたため産休制度の適用を受けられなかった。それでも、復帰後はすでに8戦に出場しており、人気と実力さえあれば女子ゴルフの現場は比較的働きやすい職場なのかもしれないと思わせる。

もっとも妊娠、出産は、女性アスリートにとってフィジカル面での影響が無縁ではない。茂木は「妊娠してから、股関節の柔軟性が良くなった。妊娠はスポーツ選手にとってマイナス要素が多いイメージだったが、意外とそうではないところもあった」と語っている。

ちなみに、国内女子ツアーでは、出産後に優勝した選手は過去5人いる。森口祐子樋口久子木村敏美、塩谷育代と、出産後にプロテスト合格した山岡明美だ。

森口は1984年に長男を出産した後、復帰4戦目の「ミズノオープン」で優勝(大迫たつ子と同時優勝)、次戦の国内メジャー「日本女子オープン」で連勝を記録。86年にも2度目の産休を取って長女を出産しており、母として通算18勝をマークした。

89年に産休から復帰した樋口は、翌年に2勝。91年に出産した木村は、復帰43戦目の93年「三越カップ」で初勝利を飾り、2007年までに通算10勝。1998年の出産前に17勝していた塩谷は、復帰56試合目の2001年「ヴァーナルレディース」で4季ぶりに優勝してその後さらに2勝を挙げ、山岡も通算4勝を誇る。

数自体はまだ少ないものの、理想的ともいえる成功例はある。女子ゴルフが、結婚→出産後も収入を得ることのできる、国内でも稀有な女子プロスポーツの舞台として認知されるチャンスはある。

片川望(かたかわはるか) プロフィール

1975年生まれ、性別「男」。通信社の記者を経て、2014年GDOニュース編集部。トーナメント会場にはたまに現れるレアキャラだが、見かけてもご利益はない(はず)。「どちらかと言えばエディター」を自称しており、普段は東京・五反田界隈に生息している。ツイッター: @hrkktkw

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2015年 アクサレディス in MIYAZAKI



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