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逆転Vの一ノ瀬優希 自分を貫いた勇気

前日までの強風が嘘のように穏やかに凪いだ「ヨコハマタイヤPRGRレディス」最終日。最終組の3組前で一ノ瀬優希は、斉藤愛璃、アマチュアの森田遙(高松中央高2年)とともに首位との2打差を追ってティオフした。

2番ホールは170ヤードの谷越えとなるパー3。左からの風に流されてボギーとした一ノ瀬に対して、17歳のアマチュアは鮮やかなストレートボールでピン下1.5メートルにつけてバーディ奪取した。森田に史上4人目となるアマチュア優勝の快挙を期待するギャラリーたちがホールを進めるごとにざわつき始める。そんな中でも、一ノ瀬は「自分は自分」と冷静だった。

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思い出されるのは今年2月。米国アリゾナ州で開催された米国男子ツアー「ウェイストマネジメント・フェニックスオープン」の会場に一ノ瀬の姿があった。国内女子ツアーの開幕まで約1ヶ月。毎年シーズン前は環境の良いアリゾナで開幕準備を整える。その時、既に左鎖骨を痛めてアプローチとパターしか練習できなかったはずだが、そのことはおくびにも出さずに黙々と松山英樹のラウンドについて歩いた。

高知・土佐CCは時に理不尽な姿を見せる。海を望む山上にあるコースは、風が吹き抜ける一方で、山を回り込んで方向が定まらない。たとえば、ツアーで一番難度の高いパー5といわれる3番では、ティショットと2打目の風が、グリーンに向けて打ち上げる3打目では逆風になる。フェアウェイにはアンジュレーションがあり、グリーンは高速で読みにくい。会心のショットが結果に繋がらないことが多いのは、リンクスゴルフに共通する。曲がらないショットと多彩な小技に加え、精神的な強さが攻略にものを言う。

16番でリーダーボードを見た直後に一ノ瀬に並ぶ1メートルのバーディパットを外した森田遙は「(入れたい)気持ちが出てしまったのかもしれない」と悔しがった。プレーオフで惜敗した酒井美紀は、「自分が外したことは残念だけど、楽しかった」と自己ベストとなる2位を受け入れた。たぶん勝者との違いはわずかだった。状況を把握して揺れた心と、優勝経験の有無が生んだ勝つことへの執着心――。

周りには豪快な飛ばし屋もいれば、円熟の技をみせるゴルファーもいる。「自分は自分」という覚悟は簡単だろうか? 「いつもは他の人が待っているから1カゴ程度だけど、今週は毎日3カゴ打ちました」という小さなワガママも一ノ瀬らしい。誰からも愛されるキャラクターは優勝を決めた18番グリーンで祝福に加わった女子プロたちの多さからもうかがえる。

1番ティから18番ホールアウトまで1本の線を描くように着々と攻略していく熊本生まれの25歳。目標に掲げるシーズン複数回優勝とその先の賞金女王へ、フェアウェイキープの好ショットでティオフした。(高知県香南市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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