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中断or中止、一打の重みを考える

2011/11/19 23:00

この日、西日本を通過した雨雲は、男子ツアー開催中の宮崎県、そして女子ツアー開催中の香川県にも雨をもたらし、それぞれの大会ではその対応に追われた。

まず男子ツアーは当初8時だったスタート時刻を9時半、10時半、11時半と順次繰り下げて天候の回復を待った。しかし、翌日の最終日のことを考えると11時半までにスタートできなければ、持ち越しても最終ラウンドまで消化しきれない。10時半の時点で、コース整備も含め1時間後のスタートが不可能と判断したJGTOは、その時点で早々に第3ラウンドのキャンセルを決定した。

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一方の女子ツアーは、7時40分の定刻に第1組がスタートしたが、悪天候での中断を想定して「最終組が13番までホールアウトできなかった場合、第2ラウンドは中止とする」という条件を決めていた。これは、翌日に持ち越せるのは5ホールのみで、それ以上残ると最終ラウンドが消化し切れないという制約による。

この条件を知ってのプレーにはいろいろな打算が絡んでくる。スコアが悪い人はキャンセル(中止)になることを願うし、スコアの良い人はその逆だ。奇しくも一番条件の悪い中でスタートした最終組の3選手はそろってスコアを落としており、さらに中断直前の8番では前の組と1ホール以上の差がつき、意図的に(終わらせないように)ゆっくりプレーしているのでは?という臆測を生むほどだった。

先週の男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」も2日目に激しい雨に見舞われ、第1組が4ホールを消化したところでその日のラウンドは中断。そのまま54ホールへの変更が決定された。これに対し、一部では「条件の悪い中スタートした選手が不利だから、この日のラウンドをキャンセルにすべきでは?」との声が出たが、JGTOは「著しい不平等が生じる場合を除き、原則として行われたストロークを生かす」という方針にのっとり、著しい不平等ではない、という判断の上でこの処置にしたわけだ。

今回の女子とは逆の例と言えるだろう。行われた1打が無かったことになるというのはプロの大会としての違和感は拭えないが、状況を考えれば致し方ないとも言える。行われた1打をとことん尊重するか、それとも公平さや競技進行(興行)を優先するか。これは難しい判断だ。

幸い、この日は天候が回復して無事に第2ラウンドが消化できたから良かったものの、“まぼろしの優勝”や“不運のシード落ち”などが発生したら、それはまたすっきりしない結果を生んでいたことだろう。(香川県三豊市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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2011年 大王製紙エリエールレディスオープン



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