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登場曲は“オバQ”で フィリピンから来た「キューちゃん」のファンサービス

◇国内男子◇RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 初日(23日)◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡)◇7151yd(パー72)

ティオフ前の選手紹介で、各プレーヤーが事前に選んだ曲が場内に流れるのが恒例になったトーナメント。石川遼はSuperflyの「Force」、池田勇太は西部警察のテーマ、藤田寛之は地元福岡・香椎高の先輩である財津和夫の「サボテンの花」…。それぞれのお気に入りのメロディが流れる中、昭和のアニメソングはギャラリーのハートをグッとつかんだ。

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「オバケのQ太郎」を選んだのは、アンジェロ・キュー(フィリピン)。日本ツアー参戦4年目、初勝利を狙う39歳だ。

6番(パー5)でのイーグルを含めた「67」で第1ラウンドを終えたキューは「とにかく暑い。水を飲み続けたよ」と炎天下で息をついた。5アンダーは首位と2打差の5位タイ。汗をいっぱいに吸った白いキャップは、3本の緑のラインが入った、見慣れないもの。既製品ではない。

実は近年、キューはマレーシア在住の日本人マネージャーとともにオリジナルのキャップを作成している。この日のモデルは東海漬物の「きゅうりのキューちゃん」を勝手に意識したもので、普段は東海地方でしか被らないが、今大会のティオフ形式に合わせて着用した。

キャップのロゴはかねて話題のひとつだった。漢字で「肉体改造予定」、「天才中年」と記した、ちょっと自虐的な言葉から、好物だからという理由で「YAKINIKU(焼肉)」の日も。「気楽にGO!」「イイデスネ」、「ナイスデス」といった、ゆる~いフレーズもある。

父に教えを受け、故郷のマニラでゴルフをはじめ、妻も元プロゴルファーという家柄。アジアンツアーからステップアップを図ってきたが、「プロゴルフは賞金もかかっているし、確かに真剣なもの。でも僕にとってはそれだけじゃない。自分の仕事を楽しむことを大切にしている」という。

原色使いの派手なウエアのコーディネートも“見せる”ことを意識したもの。「たくさんの人たちを楽しませたいと思う。見に来てくれたギャラリーに『あの人は良い選手だったね』だけではなくて、『あの選手はパフォーマンスやファッションも面白かったね』と思わせたい。コースには小さい子どもも来る。彼ら、彼女たちにゴルフは必ずしもシリアスなものではない、格式ばったものじゃないんだと感じてほしい」と秘めた思いがある。

自身も6歳の娘と4歳の息子のパパ。自身のゴルフ哲学を語る彼の背中越しで、大音量で流れていた星野源の「恋」のメロディが妙にマッチした。(福岡県糸島市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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