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パット開眼の片山晋呉 ひらめきは“おしとやかな”あの動き

東京よみうりCCで開幕した国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の初日、1イーグル、4バーディの6アンダー「64」(パー70)で単独首位発進を決めたのは、3週間前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で今季初優勝を飾った片山晋呉。現在、片山の世界ランキングは66位。オーガスタへと続く、年末時点での世界ランク50位以内という目標が永久シード保持者を駆り立てている。

「どうしても行きたいの。ここに出ている全員がそうだと思うけど(過去に)出ている分、余計に行きたいの」。次週のアジアンツアー「タイランドゴルフ選手権」にもエントリーを済ませている。今年の残り2試合で、どこまで世界ランクを上げ切れるか。「なかなかチャンスもないから、そういう中で、自力でつかんでみたいよね」と、42歳は目を輝かせた。

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「背が小さいから、大きい人と同じことをやっていたらダメ」という信念のもと、試行錯誤、研究熱心が片山を支えている。新しい練習道具を見つけると、自ら電話して製造元から取り寄せたり、ゴルフに効くというお守りをインターネットで見つけると、その画像を携帯電話の待ち受けにしたりもする。

「初優勝したときのパターの握りはビリヤード(のキューの握り)を見てひらめいたし、野球選手とかからもよく取り入れている」と片山はいう。今週、初めて披露した新グリップも、日常のふとした瞬間にひらめいたという。

今週は自宅から通っている片山。開幕前日、家に帰って左手でふすまをそっと閉めた時にピンと来た。「この手の動き…」。そのまま洗面所の鏡の前に行って動作を確認。「家にゴルフクラブは1本もない」という片山は、大会初日のスタート前にパッティンググリーンで実際に球を転がして手応えを得ると、パターも「キャディバッグの横にあった」というピン型に持ち替えて、そのままティオフ。左手の平を地面に向け、親指と人差し指の間にグリップを載せるようなパッティングスタイルで、この日唯一のノーボギーで18ホールを回った。

「ふすまを閉めるときは、バチンとはいかないでしょう。“おしとやかに”ね。そうすると、右手のタッチも出やすいみたい」

1番から4~6mのバーディパットを3連続で沈めると、17番では6mのイーグルパットをカップへと流し込んだ。「“ふすまグリップ”はちょっとねぇ…。かっこいい名前を考えておきますよ」。来年4月、オーガスタで日本独自の“ふすま”について説明する片山の記者会見をぜひとも見てみたい。(東京都稲城市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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