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芥屋GCの高麗グリーンを一変させた米国人キーパー

2015/08/30 18:38

高麗グリーンに注ぐ愛情

芥屋GCのグリーンキーパーのマクダニエル 芥屋GCのグリーンキーパーのマクダニエルさん。熱戦の裏にいる仕事人だ

プレーを終えた選手たちが口々に言った。「グリーンのコンディションが本当に素晴らしくなった。ここ2、3年でまるで見違えるように」――。

国内男子ツアー「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」が行われる福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部は、ツアーの年間スケジュールで唯一、高麗グリーンで争われる大会。この戦いの様子を近年一変させた、異国から来た名グリーンキーパーがいる。

アンドリュー・マクダニエルさん、37歳。2013年3月から同コースでコース管理部の課長を務める米国人だ。

米国南部のアラバマ州生まれの彼は、小さい頃はゴルフの経験はなく、もともとは野球少年だった。「スポーツが好きで、屋外にいる仕事がしたい」という思いから、ミシシッピ州立大で芝生の勉強をした。在学中、千葉県のゴルフ場で参加した3カ月間の研修が日本との出会い。大学を卒業してすぐに同コースに戻り、その後、茨城、愛知、再び千葉と渡り歩いて大阪のゴルフコースの管理会社に勤めていた時、芥屋からお呼びがかかった。

アジアのゴルフ場の多くでフェアウェイを中心に採用される高麗芝は、高温多湿の気候に強い特徴がある反面、グリーンではゴルファーに“異色の”戦いを強いる。芝目が強いため、硬く刈り込まれるとショットは止まりにくく、パットでは転がりが傾斜以上に影響を受けやすい。日本のツアー会場は大多数がベント芝のグリーンを採用しており、この芥屋の試合だけは別のパターを握る選手も少なくない。

小さい頃から高麗グリーンで育った池田勇太が説明する。

「高麗グリーンで一番大切なのは“芽数”なんですよ。あるスペースに、どれだけ芝が多く詰まっているか。詰まっていなくて、1本、1本が“立っている”状態では、短く刈ることができない。ほとんど地肌が見えてしまうから。短く刈れないと、砂を多く入れなくてはならない。そんなサンドグリーンだと、アプローチでバサっとボールが停まって、転がしてもスピードが出ない」

「けれど、芽数が詰まったグリーン、“おれの頭(髪質硬め&毛量多め)”みたいな感じだと、短く刈れて、軽く砂を入れるだけで速くなる。(最近の芥屋は)昔の青木さんみたいに滑らせるか、ラインを読んでいくか、どうやって打つか、楽しめるグリーンになった」

マクダニエルさんは池田の言葉にうなずいて言った。

「まずしっかりとした芝生を育てることが大切。それでやっと薬を使ったり、いろんなことができる」。母国には高麗グリーンのゴルフ場は数えるほどしかない。正直に言えば、「今まではあまり関わって来なくて、あまり興味がなかった。(高麗芝は)いいグリーンにはならないなと思っていた」。だが、この大仕事を任されて向き合い方が変わった。

桂川洋一(かつらがわよういち)
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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