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ウサギとカメ 宮本勝昌と藤田寛之の関係性

「ANAオープン」最終日の18番グリーンサイドで腕組みをした藤田寛之は、満面の笑みで宮本のガッツポーズを見つめ、グリーンから下りてくる勝者を抱きしめた。

「よくやった、おめでとう」。自身も優勝争いに加わった試合で、後輩の優勝を心から祝福した。

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大会2日目の段階で藤田は断言した。「今回は宮本が勝ったとしても涙は見せません。今年は安定した成績を出していますので」。2007年の「KBCオーガスタ」で宮本が4年ぶりの優勝を果たした際には、大粒の涙を流した藤田。その同じ舞台で今年、体が弱ってきたという父親に生で優勝シーンを見せられなかったことに涙した45歳は、再び4年ぶりとなった可愛い後輩の晴れ姿は、さわやかな笑顔で見守った。

表彰式の途中でクラブハウスに引き返した藤田は言う。「嬉しいです。トメ(宮本の愛称)とは10何年のつきあいになりますが、お互いが仲間だしライバル。彼が苦労した時期も知っている。(07年の)KBCの時は本当に賞金も稼げていなくて、QTに行くことも考えていましたからね――」。

学生時代、日本を代表するアマチュアとしてならした宮本は、24歳で芹澤信雄に弟子入りを志願。それ以来チームとして切磋琢磨してきた3歳下の宮本を、藤田は実の弟のように気にかけてきた。

「元々のポテンシャルも飛距離も、自分よりも彼が上。それが最近は自分と比較されることが多く、そのことで辛い思いをしていたと思う」。藤田が賞金王(2012年)を獲得するなど、ツアーの顔として活躍するのとは対照的に、宮本は、着実にシード権は獲得するものの優勝からは4年間遠ざかっていた。

「最近は僕の真似とまでは言わないけど、だいぶ練習量も増やして頑張っている。でも、ウサギとカメは似ても似つかない。僕みたいにコツコツやるだけの人間と違って、彼のようなタイプはのびのびとゴルフを楽しんで欲しい」。藤田はそうつぶやいた。

チーム内でムードメーカー的な役割の宮本は、これまでも多くの悩みを藤田に打ち明け、都度的確なアドバイスをもらってきた。「あの人の言葉には重みがあります。最近いろんな本を読んでいるのかな」。さらに「5年後、藤田さんがシニアに行ったら練習する相手がいなくなる。だから、僕が行く8年後までレギュラーツアーで待ってくださいって言ったら、“そうか”って真剣に考えてくれるんです。凄い人です」と、先輩の話になると本当に嬉しそうだ。

お調子者の宮本と、慎重派でのんびりタイプの藤田。2人を見ていると本当にウサギとカメに見えてきた。(北海道北広島市/本橋英治)

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