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小田孔明は死んでない。初の逆転勝利へ意欲

10月の国内メジャー「日本オープンゴルフ選手権競技」で逆転負けを喫した小田孔明。第3ラウンドを終えた時点で後続に3打差をつけ、悲願の日本タイトル獲得はあと一歩に迫っていた。3日目の公式会見では、逆転で敗れた2007年大会を頭に浮かべて思わず涙。ところが、雨で順延となり月曜日に持ち越された最終ラウンドではまたもやゲームをひっくり返され、リベンジはならなかった。

6年越しの悪夢。それでも小田は強く立ち上がった。翌週の「ブリヂストンオープン」では3位タイ、そして今週「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦」も3日目を終えて首位の呉阿順(中国)とは4打差ながら、通算11アンダーの2位タイにつけた。「ウッドが調子悪いけど、アイアンショットが天才だから」と連日、自画自賛する調子の良さ。平均パットでも3日間で全選手中トップの数字(1.6098)を残している。

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「トップに立っていたかったけど」とホールアウト後は少し残念そう。過去6勝はすべて最終日を首位からスタートして逃げ切りで奪ったという「勝利の方程式」が、既に多くのファンの知るところとなっている。だが「最終組に入れればね。上にプレッシャーもかけられる。もう“勝ちパターン”が崩れちゃったから」と、自虐ネタを入れながら逆転勝利を強く目論む。

賞金ランキングでは約7,400万円差でトップの松山英樹を追う4位。「今週優勝できれば、差を縮められるし。逆転の可能性だってある」と望みは捨てない。そして世界ランキングは現在90位で、日本勢では松山の29位に次ぐ2番目。「ワールドランクを上げていけば、マスターズも見えてくるかもしれない」と、前を向く言葉は頼もしくもある。

最終日は強い雨風が予想されている。悪天候は大歓迎の小田。“勝ちパターン”の殻を破った先には、次のステージが待っている。(茨城県美浦村/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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