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元気いっぱい17歳の高校生プロ 鍋谷太一

インタビュールームに姿を現すなり、素っ頓狂な声が響かせた。「すげえっ!すげえっすね!こんなに人が…」。国内男子ツアー「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central」初日、首位に3打差の7アンダー7位タイと好発進を切ったのは17歳の高校生プロ・鍋谷太一。ヤングパワーみなぎる新鋭が、またひとりツアートーナメントでお目見えした。

インスタートの初日、鍋谷は出だしの10番(パー5)で4メートルを沈めてバーディ発進を決めると、中盤にもきっちりスコアを伸ばしてバーディ合戦について行った。折り返し直後の1番で12メートルのバーディパットが決まるなど、ショット、パットともに好調。圧巻は最終9番(パー5)。残り187ヤードの第2打で、つま先上がりの状況から6番アイアンを振り抜き、右サイドに切られたピンに対して1.2メートルにつけた。

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「カメラマンが急にたくさん来て…いやもう、びっくりした!素振りするたびにバシャバシャ!ってシャッターの音がするじゃないですか。それで打ったら、シュワーン!って行って、グリーンの周りでギャラリーの方がワッとなって、ベタピンやと思いました」。今季4度目の挑戦で初めてマンデー予選会を通過し、レギュラートーナメント今季初戦の初日は、派手なガッツポーズがついたイーグルで締めくくった。

昨年9月に16歳でプロ転向。チャレンジツアーの予選会を通過した直後に関係者に促され「一晩悩んで」、新しい世界に飛び込んだ。「石川遼選手やロリー・マキロイ選手、リッキー・ファウラー選手はみなさん若くしてプロになっている。憧れていました」。

ゴルフを始めたのは小学生時代。父・忠治さんもかつてツアープロを目指し、26歳の時にティーチングプロに転向。いまも多くのスクール生を抱えているが、わが子に関してはかねてから「好きなことをやればいい」という教育方針で、幼少時代はキャッチボールに興じる時間の方が多かったという。しかし8歳になった太一少年はある日、おもむろに「ぼくも試合に出たい」と自ら申し出た。2人で銭湯に行った帰り、手をつなぎながら口にした言葉だった。

現在は大阪学院高に通い、平日は主にインドア練習場、休日に祖父母が住む三重県へ足を運んでゴルフ場でラウンドする日々を送る。メンタルトレーニングにも精通し、指導を続ける忠治さんも、当初は高校卒業後のプロ入りを考えてはいた。しかし愛息の突然の決断にもサポートを約束。「さらに厳しいと言いました。でも(プロになって)気持ちが大きく変わりました。いち社会人ですしね」と早期転向に、意識の変化を感じ取っている。

今大会は昨年予選落ちに終わった「日本オープン」以来となるキャリアで2試合目のレギュラーツアー。しかし「毎日、気持ちは変わってくる。目の前の一打に集中して頑張りたい」と物怖じする様子もない。

「将来はアメリカに行きたい。やっぱり憧れます。6月にジュニアの大会でアメリカのノースカロライナに行ったんです。そしたら、街も日本と全然違うじゃないですか。アメリカ、すげえ!って。5月にはロサンゼルス近くのパームスプリングスに行きました。すごい砂漠で、やたらと森ばっかりで!道も、バーン!って広いでしょう、アメリカは」。

元気いっぱい、夢いっぱい。発する言葉こそまだ17歳には違いない。それでも、ここにいる多くの先輩たちと同じ土俵で戦うことの厳しさも、プロゴルファー親子は十二分に理解している。(岐阜県加茂郡富加町/桂川洋一)

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2013年 TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central



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