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早朝メールで奮起 松村道央が師匠のゲキに報いる勝利

「中日クラウンズ」最終日を単独2位で迎えた松村道央の携帯電話はこの日の朝、一通のメールを受信していた。丁寧に絵文字もあしらわれた文章の末尾には「全英で待ってるぞ」。既に予選落ちして今大会から姿を消していた“師匠”谷口徹からの言葉だった。

「あれが励みになった。(勝てば)そういうものが見えてくるんだ・・・と」。

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最終組でスタートした松村は、第2打をグリーン右手前のラフまで運んだ2番(パー5)からの2連続バーディで早々に首位を捕えた。5番では9メートルを沈め、7番(パー3)ではティショットをピンそば80センチに付け、アウトで4バーディを奪取。しかしリードを持って折り返したが「和合はここからが難しい」。案の定、11番でバンカーショットのミス、そして3パットで痛恨のダブルボギーで俄然、混戦となった。

それでも16番では7メートルのパーパットを強気に沈め、最終18番ではグリーン奥からアプローチを寄せた。迫りくるスーパールーキー、松山英樹を振り切り3シーズンぶりとなるツアー3勝目。「この難しいコースで勝てたのは大きな自信になる」。疲労困憊の表情ながら、スカイブルーのジャケットを誇らしげにまとった。

飛躍を信じた昨年までの2年間は未勝利。思うようにショットがまとまらない。「本当は2勝目(10年カシオワールドオープン)を挙げた頃からおかしかった」という。誤魔化しながらシードを維持し、ツアーを戦っていくだけの力量はある。だが予選落ちが続けば、谷口から「巨人のV9を更新するんちゃうか」と茶化された。愛情か、本音か。激励か、ただの野次か。どちらとも受け取られかねないが、寡黙な松村は真摯に受け止めてきた。「賞金ランキングも一度だけしか勝っていない(2010年)。そういう意味では、谷口さんに毎年勝てるようになったら一流になれるかなと。目標にさせてもらっている」。

6月27日開幕の「~全英への道~ミズノオープン」で4位に食い込むか、同大会終了時の賞金ランクで2位に入れば、メジャーへの道は拓ける。師匠とともにスコットランド・ミュアフィールドに立つ。

和合でつかんだ勝利は、怪物ルーキーを破ったというだけでは終われない。自身の次のステップにつなげる1勝にする。(愛知県東郷町/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2013年 中日クラウンズ



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