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AON同組対決を終えて 中嶋常幸の進言

青木功尾崎将司中嶋常幸の3人が同組でラウンドした2012年の「日本オープンゴルフ選手権競技」。7年ぶりとなる三つ巴の直接対決で華やいだ沖縄・那覇ゴルフ倶楽部は予選ラウンドを終え、AONのぶつかり合いも“見納め”。青木、尾崎はともに通算18オーバーの90位タイで予選落ち。その一方で57歳の中嶋は初日「73」、この2日目を4バーディ、7ボギーの「74」でまとめ、通算5オーバー。単独首位の平塚哲二に4打差の3位タイと、絶好の位置でトーナメントを折り返した。

2日間、36ホールの夢のような時間を終えた中嶋は、まず“AO”に感謝した。「僕が一番ワクワクしていた。あの2人と一緒に回るには、一体いくらくらいかかるだろう」。それぞれのプレーは全盛期には程遠いはず。だが、意地をぶつけ合うプレーは変わらない。その中でも「(2人が)気を使ってくれた。『お前は良いところで回っている。俺らは邪魔しないから』というオーラが出ていた。エールを送られている感じだった」と、しのぎを削ってきた3人だからこそ共有できる思いを、戦いを振り返る。そして「あの2人には尊敬の思いしかない」と口にした。

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2人からの無言のエール。それを力に変える覚悟は出来ている。狙うのはトップ10入りではない。あくまで頂点だ。バーディ合戦よりも、我慢比べの方が勝機があると見込んでいる。「残り2日間、まだまだ風よ吹け、台風よ、近くまで来てくれ。昔から俺のひとつのとりえは忍耐強いところ。ポリシーみたいなところだ。条件がタフになるのは他の選手よりありがたい」と、天候によりさらに条件が厳しくなることも歓迎する。5回目の日本オープン制覇への自信も、少なからずある。

ただひとつ、言わずにはいられなかった。今大会の予選カットライン通算13オーバーは、パー71設定の中では、古賀ゴルフ倶楽部で開催された2008年大会と並ぶ最多オーバーパーとなった。沖縄特有の強風に加え、ボールをたやすく隠してしまうほどの長いティフトン芝のラフ。硬く締められたグリーン、そしてフェアウェイ。時には“運”がスコアを大きく左右してしまう。そのセッティングに対しての中嶋は、自らの考えを述べた。

「世界一と言われた青木さんが、あれだけ驚くショットを打ってきたジャンボが、どうにもならないホールがあったんだ。それではお客さんは面白くない。技術が活かされるセッティングでないと。全米オープンを例に出すのは良くないかもしれないが、4日間パープレーくらいで、(通算)1アンダー、イーブンパーくらいで(優勝者を)回らせる。それが(コースセッティングの)妙というか、上手いところ。JGA(日本ゴルフ協会)も、世界と交流を持って、パイプを太くして、そういう技術を身につけて欲しい。ただただ、ボギーばかりでは面白くない」。選手がレベルアップをはかるのは当然のこと。それと同様に、セッティングを整える側にも、さらに研鑽を積んで欲しいと訴えた。

「これは文句じゃないよ。意見だよな」。AONの置き土産。日本のゴルフ界にとっての財産が、また一つ増えた。(沖縄県八重瀬町/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2012年 日本オープンゴルフ選手権競技



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