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43歳の気迫 谷口徹「ベ・サンムンに勝ちたい」

国内男子ツアー第20戦「ブリヂストンオープンゴルフトーナメント」は、予選ラウンドを終えて大混戦模様を呈してきた。通算8アンダーの単独首位に立つ宮本勝昌を1打差で諸藤将次が追い、さらに1打差に4人。5アンダーの7位タイには石川遼ら3人がつけている。

その密集地帯にグイグイと割り込んできたのがベテランの谷口徹だ。2アンダーの10位タイから出ると、前半アウトで2バーディ。後半は12番からの2連続バーディ直後に、2連続ボギーを叩くが、最終17番からの上がり2ホールを連続バーディ締めで通算6アンダーの3位タイグループに。「いやあ、疲れた」。ラウンド直後は、立ち話になる囲み取材を“拒否”し、報道陣を会見場へ誘導。椅子にドカッと腰を下ろしてプレーを納得顔で振り返った。

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今季の谷口は2連覇を狙った5月の「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」で、腰痛を訴え途中棄権。その痛みは体だけでなく心にも響き「なんていうかな…、ポカッと気分が失せてしまった」と穴が開いた。2週間の休養を取り、その後は試合を淡々とこなす日々。昨年秋に第2子が誕生したことも「ゴルフに対する情熱が少し薄れてきた」という要因でもあった。

ところがシーズンも後半戦に差し掛かった9月。突然スイッチが入った。「勝ちたい。とにかく優勝したい。疲れはピークだけど勝ちたい」。ツアー通算16勝をマークした勝負師のハートに火をつけたのが、今季3勝を挙げ賞金王レーストップを快走するベ・サンムン(韓国)の存在だ。

「やりがいがある、久々に良い選手が出てきた。飛ぶし、アイアンもパットもうまい。自分より強いと思う選手」。18歳の年の差も関係なく、実力を高く評価する。最近、練習ラウンドをともにしている諸藤将次には「今のお前とは大人と子供くらいの差がある」とゲキを飛ばすのだ。

「べとキム(キョンテ)と戦うときは燃えるものがある」。谷口は池田勇太石川遼の名前を出しながら、韓国勢2人の強さに「安定感」を挙げた。「(女子の)アン・ソンジュもそうでしょう。コンスタントにいいプレーをする。悪い時は悪いなりに」。

「僕らはプロだから。そういう選手に勝った時の喜びは、普段の何倍もある。年は関係なく、気持ちを前に出さないと勝てない」。谷口は復帰後、今週まで14試合連続で出場。例年5試合前後の連戦を避けてスケジュールを組んできたが、家族の“ブーイング”にも背を向けて「勝つことに飢えている」と会場へ足を運んでいる昨今だ。

「べとは毎週一緒に回っても、飽きないと思う。目の前で戦いたい。彼の域まで上がってこないと一緒に回れない」。あいにくサンムンは今週、57位タイとギリギリで予選通過を果たし3日目の同組とはならなかった。けれど43歳の気概、ほとばしる闘志が頼もしかった。(千葉県千葉市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2011年 ブリヂストンオープンゴルフトーナメント



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