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ゴルフを“軽く”するために 石川遼が試みるキャディバッグ改革

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 事前情報(15日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)

プロゴルファーのキャディバッグは「ツアーモデル」と呼ばれる大型タイプが主流だ。メーカーのロゴがドーンと入った重量モデルが流通する一方、学生ゴルファーは自分で担ぎながらプレーするため軽量の「セルフスタンドモデル」を使う。カートに乗ってプレーする一般アマチュアの皆さんは“どっち派”だろう?

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石川遼は今週、あえてセルフスタンドタイプを会場に持ち込み、試合で使用するつもりでいる。ツアーモデルはバッグ自体に5、6kgの重さがあり、セルフ用は軽いもので約半分。「キャディさんの体をいたわるため(笑)。完全に僕の主観ですけど(ツアー用は)やっぱり重すぎるときがあるんですよね」。クラブやボールをはじめとしたラウンド用具を入れると15kg近くにもなるキャディバッグには、長らく疑問を抱えていたという。

ツアープロにはアマチュア以上に、大型モデルを使う明確な理由がある。スポンサー契約の問題だ。ウェアや帽子は契約先の社名やロゴの露出エリアで、選手にとってここは“売り物”である。キャディバッグの「背袋」という部分も同様。ただし、セルフスタンドバッグには自立させるための脚があるため、この掲載スペースが狭くなってしまう。

石川はこの問題点をアイデアで解消した。2本の脚の間に布をつけ、バッグを立てた時に広がるようにした。まるで帆のような黒い布には所属先のカシオのG-SHOCKのロゴ、日の丸と自身の基金の名前を入れてもらい、普段使いのツアーモデルと同じ仕様にした。これで問題はクリア。「パッティングの時は、キャディさんは(グリーンサイドで)バッグを寝かせる。でも背袋を地面に置くから、結局ロゴは隠れちゃうんですよ。でも、このバッグなら隠れない。ロゴの露出の時間も逆に伸びるんです」。キャロウェイの協力で製作されたバッグ。カシオの了解を得て今回のテストに至った。

見栄えのするツアーモデルの普及には一般的な弊害もある。重いだけでなく、横幅が大きいため、1台のカートに4つ載せるとなると、ゴルフ場のスタッフはなかなか大変。載り切らないカートすらある(自動車のトランクやハッチバックに入れる時も同じことが言えそう)。「プロ用のバッグはドカンと大きくてカッコいいですけど、アマチュアの方は進んで使いたいんだろうか。使い勝手はどうなんだろう」。事実、石川はプライベートゴルフに出かける前に、ゴルフ場に迷惑がかからないようセルフバッグにクラブを詰め替えることも多い。

佐藤賢和キャディは「今週のコースはフラットだからまだ良いですけど、アップダウンのあるコースは本当に大変なので」とボスの考えをもちろん歓迎。天候の悪い日にタオルなどの所持品が増えることへの懸念点が払しょくされれば、今後定着するかもしれない。

「昔に比べていろんなものが便利になっている。例えばレインウェアもがさつかず、コンパクトにたためるようにもなった。でもキャディバッグだけが変わっていない。スタイリッシュになり切れていないかなと。ゴルフがセルフで気軽にできるみたいな文化を、ゴルフって結構軽くできるんだみたいな面もアピールできるのかなと」。その“当たり前”、ホントに必要? 石川遼の挑戦は続く。(宮崎市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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