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契約プロの選び方 イメチェン目指すヤマハの場合

ゴルフファンに少なからぬ驚きを与えるニュースとなった。ヤマハは23日、大山志保有村智恵今平周吾ら5選手と新たに用品使用契約を結んだと発表した。これまで看板プロに掲げてきた技巧派ベテランの藤田寛之谷口徹らに加え、人気と実績を兼ね備えた大物女子選手や注目の男子の若手ホープを迎えたことは、販売戦略上の転換点になると言える。

ゴルフは「見るスポーツ」であると同時に「するスポーツ」の側面も大きい。クラブメーカーにとって、契約選手は商品の売り上げを伸ばすための広告塔の役割を担う。多額の契約金、手厚いサポートを受けると同時に活躍を期待される。メーカーは選手の活躍を製品やロゴの露出、認知の拡大につなげ、選手像に重ねたブランドイメージの構築を目論む。

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ヤマハのゴルフクラブの売上高は、年間約60億円。国内全体の市場はゴルフ人口の減少による緩やかな右肩下がりが続くが、同社の吉田信樹ゴルフHS事業推進部長は「当社のシェアはまだ低く、ブランディングによるシェアアップで売上拡大を目論んでいる」と話す。

選手側から見れば「電撃移籍」とも評される今回の契約締結のきっかけは、自社で行った一般ゴルファーに対するブランドイメージ調査だったという。「ヤマハからイメージするものは?」という問いに対し、圧倒的多数を占めた回答が「藤田寛之」だった。25年にも及ぶ藤田との用品使用契約は、確実に「ヤマハ=藤田」という絶対的なイメージをゴルファーに植え付けていた。

現在ヤマハが展開するクラブブランドは「RMX(リミックス)」と「inpres(インプレス)」の2つ。各々のブランドイメージに合致し、「ヤマハ=藤田」のイメージを刷新するインパクトを与えられる選手は誰だろうと考えるところから、契約プロ選びが始まった。

販売ターゲットはRMXが「向上心と闘争心を持つアグレッシブなゴルファー」、inpresが「飛距離を復活させたいシニアゴルファー」。前者に一致したのが、あきらめない姿勢や向上心、闘争心を前面に出して戦う大山であり、後者のイメージと重なるのが、日本で「完全復活」を目指す有村だった。両選手に2年越しでアプローチをかけ、契約に至った。

今平については、藤田と谷口に「自分の後継者となるような若手はいないか?」と聞いたところ、両者がそろって名前を挙げたという。

ヤマハは「契約プロ全員で年間10勝」を目標に掲げ、新たな看板プロたちに発破をかける。イメージチェンジによるシェア拡大を目指す戦いが始まった。(編集部・熊野雄策)

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