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オリンピックの価値とは? ゴルフ史上唯一の金メダルを探して

■2つの"金メダル"

結果的には、カナダのトロントへ飛び、ゴルフ場名を明らかにしない条件で、保管してある金メダルを直接見て、写真に収めることもできた。右下に1904年と刻印され、鍵の掛けられたショーケースに厳重に保管されていた。

だが同時に、このメダルは数年前に親族が「紛失した金メダルをもう1度作れないか」とIOC(国際オリンピック委員会)に依頼して、新しく作ってもらったものだということが判明した。その意味では由緒正しい金メダルではあるのだが、実際にライオンがもらったオリジナルの金メダルとは、形状そのものが違っていた。

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カナダのゴルフ殿堂には、リオンが獲得したセントルイス五輪の優勝トロフィーは保管されていたが、金メダルは誰もその経緯も行方も知らないまま、歴史から忽然と姿を消していたのだ。大恐慌(1930年頃)のとき、お金が必要になって溶かしてしまったのでは?とも囁かれているが、いまだその真相は闇の中だ。

同じタイミングにトロントで行われたライオンの功績を称えるイベントへも取材に行った。そのイベントでは、「形状はオリジナル」という安価なレプリカメダルが出席者のお土産になっていた。袋の裏に貼られた“Made in China”のシールが、ことさら本物でないことを強調していたのだが…。その場に居合わせた、祖父の膝の上がお気に入りの場所だったという孫のメリー・ルー・モルガンさんですら「本物の金メダルは見たことがない」と首を振るばかりだった。

今、カナダではライオンの功績が再び注目を集め、紛失した金メダルを見つけようという草の根運動が始まっている。111年も昔の話…だが、なんとか記憶を手繰っていこうという気にさせるのが、世界の祭典オリンピックたるゆえんだろう。

ゴルフの金メダルにどれだけの価値があるのか? このカナダの話は一つの示唆とならないだろうか。(編集部/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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