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2011年 ハッサンII ゴルフトロフィー
期間:03/31〜04/03 場所:Golf du Palais Royal and Golf de L'Ocean(モロッコ)

被災したキャディへの想いを胸に戦う平塚哲二

モロッコで開催されている欧州男子ツアー第14戦「ハッサンII ゴルフトロフィー」2日目。前半1オーバーで折り返した後、後半の10番、11番で連続イーグルを奪い、続く12番をバーディとし、通算4アンダーの12位タイで予選と通過した平塚哲二。本来、一緒に戦うはずだったキャディの佐々木氏が東北地方太平洋沖地震で自宅を被災したため、急遽、他のキャディの上村氏とともに、腹痛と発熱により体調を崩しながらも、懸命にプレーに励んでいた。

前週にスペインで開催された欧州男子ツアー第13戦「アンダルシアオープン」では、初日、2日目と60台をマークし、首位と1打差の4位で予選を通過したが、3日目、4日目とスコアを崩し18位タイに終わった。「特に3日目は、ゴルフ人生の中でもっとも内容が悪いラウンドだった」と語る平塚にその理由を聞いた。「キャディの地元は被災地である石巻。震災直後から5日目にようやく連絡がとれるまでの間は心配のあまり、ほとんど睡眠をとることができなかった。震災後、自分に今できることを一生懸命やろうと思う気持ちと、キャディをはじめ被災した友人や多くの犠牲者のことを考えてプレーに集中できないというジレンマに陥った」と語った。佐々木氏の地元である石巻は、震災により大きな被害があった地域だが、幸いにも家が流されず、屋根の上で避難をしているところを救出されたそうだ。

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だからこそ、震災直後に悲しみをこらえて、日本から遠く離れたヨーロッパの地で戦う平塚への周囲の気遣いには本当に励まされたという。自ら日本への応援メッセージをデザインしたフラッグを制作し、売り上げを全額被災地に寄付したヒメネスをはじめ、欧州男子ツアー(European Tour)からも丁寧に日本語に翻訳された、お悔やみの手紙を受け取った。

日本の震災に関するニュースは連日、ヨーロッパでも大きく報道されており、しかもその内容は、日本で観るものよりもっと壮絶な現地の状況をリアルに写すものが多い。「そんなニュースを目の当たりにし、真剣に現地に行って、何か手伝えることをしようかと考えたこともあった。しかし、きっと足手まといになるだろうし、プロゴルファーとしてできることは、良い成績を残し、被災した人々が笑顔を取り戻すことができるようにスポーツでみんなを元気づけること」と語る。「欧州男子ツアーは選手の層が厚く、プレーをしていて学ぶことが多い。今年は可能な限り欧州男子ツアーに出場し、シード権を獲得したい」と意気込む平塚選手。日本での初戦は5月に開催予定である「日本プロゴルフ選手権大会」の予定。

日本を襲った地震と津波が、我々日本人に与えた影響は計り知れない。一方、遠く離れた海外へ来てみると、あらためて日本で起こった災害について俯瞰的に考えることができる。また、寡黙な日本人とは異なり、想ったことを率直に表現することが多い欧米人から数多くの勇気をもらい、プロゴルファーとしてできることを実直に行う平塚選手に、日本の復興の道筋が見えたような気がした。(編集部:向井康子)

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