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マスターズ
期間:04/09~04/12  場所: オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

日曜日のオーガスタで分かった6つの事柄

オーガスナショナルGCを支配したジョーダン・スピースがメジャー初優勝を遂げた2015年の「マスターズ」。europeantour.comではこの大会から浮かび上がった6つの事実をピックアップしてみた。

1. ジョーダン・スピースは記録を破るために生まれてきた

ナンバーワンも見えた? 独走態勢に入ったスピース(Andrew Redington/Getty Images)

「勝利は僕の血統、そうやって育てられたからね」--。このジョーダン・スピースによるシンプルな言葉は、この21歳の天才を、無慈悲で、容赦ない、驚くべき記録破りのマシーンとする上で、健康的な競争の中での育成がいかに役立ったかを物語っている。

「マスターズ」史上、2番目の若さでの優勝。1976年以来となる“ワイヤー・トゥ・ワイヤー” (タイに並ばれない)での完全優勝。1997年のタイガー・ウッズの記録に並ぶ72ホールのスコア。「マスターズ」1大会での最多バーディ数。わずか2度目の挑戦でグリーンジャケットを手にした4人目の選手。打ち立てた記録のリストはエンドレスになりそうだ。

初日からフィル・ミケルソンジャスティン・ローズ、そしてロリー・マキロイら、幾多の強豪を抑えて首位に立ち続けてきたクールで冷静沈着なテキサス男は、数十センチのタップインパットを沈め、ついに「マスターズ」制覇、そしてメジャー初優勝を果たし、ホッと安堵の溜め息をつくことができた。

ジョーダン・スピースはその短いパットで無限の未来への扉を開けたのである。

「とても神経質になって、昨晩は良く眠れなかったんだ」と彼は明かした。「2人のメジャー王者が後ろに続いていたので、立ち止まれないことは分かっていた」。

「でも、もうそれも終わりだよね?間違いなく、僕の人生で一番素敵な1週間だったよ」。

2. 欧州勢による優勝はまたしてもお預けに...

最終18番をバーディで締め、パトロンの歓 最終18番をバーディで締め、パトロンの歓声に応えるJ.ローズ(Ezra Shaw/Getty Images)

…それでも彼らによるオーガスタナショナルでのパフォーマンスは引き続き魅力的なものではあった。

上手く行きそうでなかなか上手く行かない。確かに、1999年にホセ・マリア・オラサバルが2着目のグリーンジャケットに袖を通して以来、欧州勢が「マスターズ」を制覇していないのは歴とした事実だが、それは全てを物語っているわけではない。

通算14アンダーで大会を終え、フィル・ミケルソンと並ぶ2位タイの成績を手にしたジャスティン・ローズのスコアは、過去78回の「マスターズ」のうち、70回は優勝できていたスコアだったのである。

ただ、今年は不運にも、そうでなかった。

それでも、あの2013年の「全米オープン」の驚くべき勝利を除くと、今回の2位という成績はローズのメジャーにおける最高成績である。「あの舞台でプレーするのはシビレる体験だった」とローズ。「日曜の『マスターズ』に最終組でプレーするのは夢のような経験であり、僕はそれを目指して専心してきたんだ。すごい一日だったよ」。

「チャージをかけようとしたけれど、僅かに届かなかった。あのジョーダンのパフォーマンスを前に敗れたのは、恥ずべきことじゃない。彼はこれから長い間、ゴルフの御旗を振ってゆくことになるだろう」。

この他にも、今週のオーガスタで欧州勢はロリー・マキロイ(4位)、そしてポール・ケーシーイアン・ポールター(6位タイ)ら3人がトップ6入りを果たすなど、大いに気を吐いた。次こそ、この場所でという思いを残した世界ナンバーワンのマキロイではあったが、彼の通算12アンダーというスコアも、時が時であれば、ジョージアの松林に潜むグランドスラム達成という偉業を為す上で十分なスコアだったかもしれない。

3. やはりタイガー・ウッズはいた方がいい

13番は、こんなシーンからバーディ奪取でガッツポーズ!(Andrew Redington/Getty Images)

大会前は、かつての世界ナンバーワンであり、メジャー14勝にして「マスターズ」4勝のタイガー・ウッズは果たして出場するのか、そして仮に出場するとして、彼は戦える状態になっているのか、というのが話題の中心だった。

その疑問に対する解答は、明確なイエス。ウッズは、類い稀なる美観の中に残忍な試練が潜むオーガスタナショナルで、容赦ない地形に耐えうるだけのゴルフを再び身に付けるべく、夜明けから日暮れまで練習に明け暮れ、そして戻ってきた。

1997年、2001年、2002年、そして2005年にこの地で王者となったタイガーにとって、17位タイという成績は不満の残るものだったかもしれないが、近年ウッズが経験してきた苦しみと怪我を考慮すると、堂々とした復帰だった。

2年ぶりの「マスターズ」出場、2005年以来となるオーガスタでの2ラウンド連続の60台、そしてほぼ1年ぶりとなる72ホールの完遂など、色々なことを意味する今週のタイガーの成績は、2013年以来、大舞台を含めた全ての大会における最高成績であった。

確かに、彼が全盛期の圧倒的な強さを取り戻すには、山ほど課題が残っているかもしれないが、日曜のロリー・マキロイと同組というペアリングは、今一度、未だにタイガー・ウッズがドル箱選手であるということを証明してみせた。

4. オーガスタはイーグル天国にもなり得る

通算5アンダーに伸ばし、上位にとどまり3 通算5アンダーに伸ばし、上位にとどまり3日目を終えた松山英樹(Andrew Redington/Getty Images)

たとえ2015年の「マスターズ」が歴史を塗り替えた偉大なるスピースの大会として記憶されるとしても、出場した選手全員にとって、フィールド全体で23年間破られることのなかった大会記録を更新したという事実は、いくばくかの慰めとなったことだろう。1991年大会では全体で37イーグルという記録が生まれたが、その大会記録は2015年大会の47イーグルで塗り替えられることになった。

言い換えれば、これは今年のオーガスタナショナルが気前よく94ものアンダーパーを分け与えたということであり、そのうちの1ダースはそれぞれ3つずつイーグルを奪った飛ばし屋のダスティン・ジョンソンと日本の松山英樹へ行き渡った。

5. ヘンリック・ステンソンは3パットしない

ニックネームは“アイスマン”。そう、ヘンリック・ステンソンは「マスターズ」の1週間を通して、氷のようなオーガスタのグリーンでもその名に違わぬプレーを見せつけた。

かつての欧州ナンバーワンは、今回の19位タイという成績より遥か高みを目指して今季最初のメジャーへ臨んだかもしれないが、ジョージアを後にするにあたり、パッティングのクオリティに関しては嫌な心持ちにはならなかっただろう。

米国のスティーブ・ストリッカー、そして韓国のベ・サンムンとともに、ステンソンは出場99人中、今週の「マスターズ」で3パットをしなかったわずか3選手の1人だったのである。これはアリスター・マッケンジーの傑作である山のように起伏のうねった劇的に速いグリーンでは、目覚ましい達成であるといえる。

もし、あなたが今年のオーガスタは例年に比べてグリーンが若干簡単だったと思っているなら、ジェイソン・ダフナーエリック・コンプトン、それにアニルバン・ラヒリケビン・スタドラーに訊いてみるといい。彼らは大会を通して、それぞれ3パットを6回ずつしているのだから。

6. マスターズはがっかりさせない

数々の名シーンを生んだ2015年「マスターズ」は静かに幕を閉じた・・・(David Cannon/Getty Images)

マグノリアレーンの並木道からアーメンコーナーの荘厳にかけて。“ティ・オリーブ”から“ホーリー”にかけて。白亜のコロニアル風クラブハウスから特徴的な黄色のピンフラッグにかけて。

焼け付くバンカーの白い砂からピンク、白、そして赤く色づく低木の花々にかけて。高く聳える松の木々から起伏のうねるフェアウェイとグリーンにかけて。木曜の“ビッグスリー”から日曜のグリーンジャケットにかけて。

明かりは消され、あの印象的な歓声の轟きはその名残をわずかかに留めるばかりとなった。また1年が去り、また王者が戴冠し、偉大なるオーガスタナショナルと「マスターズ」の歴史に、新たな一章が書き加えられた。

常にそこにある、メジャーのシーズン、そして長いゴルフの夏の始まりとしての存在。純粋なゴルフの劇場として、最も感激的であり、最も荘厳であり、最も鮮明であるという観点から、「マスターズ」と比較の対象となり得るのは、恐らく「全英オープン」と「ライダーカップ」のみであろう。

2016年が待ち遠しい。


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