ルイテンは一昨年の大会を制した※撮影は昨年大会（Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

今週の欧州ツアーはオランダへと舵を取り、1972年のツアー元年以来、毎年行われてきた7大会のうちの一つである「KLMオープン」が開催される。舞台となるケネマーG&CCはツアー屈指の難度と高品質のレイアウトとして知られ、そのハードなリンクススタイルのデザインは特定のタイプの選手に合っているようだ。ここに我々のデータ担当が自信を持って選出した注目すべき5人を紹介しよう。

■ ユースト・ラウテン

今週、地元の一番人気となっているが、それも当然の話だ。ユースト・ラウテンは今季の初勝利を挙げるべく、地元オランダの大会へと帰ってくる。29歳の彼は過去2シーズンの欧州ツアーで3勝を記録しているものの、2015年は未だ勝利の美酒を味わっていない。「KLMオープン」は11度目の出場となるが、13年に制した。07年には2位に入っているほか、トップ6入りを2回果たしている。ラウテンはケネマーG&CCをここ2年にわたり通算22アンダーでラウンドしており、これは今週のフィールドでは2位に8打差をつけるトップの成績となっている。直前に3週間のオフを取って備えているだけに、週末の優勝争いに絡んでくると予想する。

■ マルティン・カイマー

2010年に「KLMオープン」を制しているマルティン・カイマーは、12年以来の大会復帰を果たす。メジャー2勝のカイマーは不安定なシーズンを送っているが、ここ最近は復調の兆しを見せている。「アルストム・オープン・ド・フランス」で4位に入るなど、欧州ツアーでの直近の4戦で3度のトップ15入りを果たしている。挑戦的なレイアウトのケネマーに、カイマーのゴルフがはまるとしてもおかしくはない。カイマーは15年シーズンのパーオン率でトップ10圏内にランクインしている。現在「レース・トゥ・ドバイ」で17位につけるドイツ出身の彼は、ファイナルシリーズ進出へ向け、シーズン終盤のチャージを熱望している。今週のオランダでの勝利がそれを大きく後押しすることになるのは言うを待たない。

■ デービッド・ホーシー

デービッド・ホーシーはここ数週間で調子を一転させた。イングランド出身の彼はここ3大会で優勝と3位を一度ずつ記録しているが、その前に出場した欧州ツアーの27大会では1度もトップ3入りを果たせていなかった。30歳の彼は直近の10ラウンドを通算25アンダーで回っており、今週の開催コースとの相性も悪くない。昨年は僅差で予選突破を逃したホーシーだったが、「KLMオープン」ではその前の4回の出場で3度のトップ10入りを果たしており、20ラウンド中13ラウンドで60台を記録している。今週ホーシーがシーズン2勝目を挙げることができれば、4年振りに世界ランキングでトップ100圏内に返り咲くことになる。

■ ティレル・ハットン

ティレル・ハットンはすんでのところで2014年の欧州ツアー最優秀新人賞を逃したが、もし2等賞が存在するのであれば、彼がその最有力候補だったことに疑いの余地はない。直近の9大会では、23歳のハットンは3度のトップ5入りを果たしているほか、これとは別にトップ25入りも3度記録しており、これには初出場だった「全米プロゴルフ選手権」での成績も含まれる。ハットンは初出場だった昨年の大会では11位に入っており、「65」でラウンドした最終日に出色のパフォーマンスを見せた。イングランド出身の若い彼の来歴に唯一欠けているのは勝利である。今週こそ彼の週となるのだろうか。

■ リッチー・ラムゼイ

リッチー・ラムゼイは欧州ツアー随一のストレートで安定したボールストライカーとして知られているだけに、ケネマーG&CC、そして「KLMオープン」で堅調な成績を残しているという事実は決して驚きではない。ここでは過去5年にわたり連続してトップ25入りを果たしており、これには2012年の2位も含まれる。「KLMオープン」では直近の11ラウンドで、ラムゼイは「66」かそれより良いスコアを5度記録しており、昨年は2度にわたり「65」でラウンドしている。最近の調子について触れておくと、3週間のオフ空けとなるラムジーは、休み前の3週で2度のトップ10入りを記録している。スコットランド出身の彼は、自身の出場した直近の欧州ツアー13大会で優勝を1度果たしており、そのほかにトップ15入りを7回遂げている。