DPワールド ツアー選手権もいよいよ大詰め(Andrew Redington/Getty Images)

今週のDPワールドツアーは、欧州ナンバーワンを巡る攻防が終幕を迎えるシーズン最終戦「DPワールドツアー選手権」。開催地となるドバイのジュメイラGEへと向かう。同大会について知っておくべき5つの重要事項は次の通り。

欧州ナンバーワンのレースが決着

世界ランキング1位のロリー・マキロイ(北アイルランド)は、ツアーランキングもリードする状況で最終戦を迎える。前週の「ネッドバンクゴルフチャレンジ」で2位に入るなど、シーズン最終盤に追い上げを見せた同ランク2位のライアン・フォックス(ニュージーランド)との差はわずか100ptとなっている。

＜＜　下に続く　＞＞

もし今大会で、マキロイがライバルたちよりも上位でフィニッシュすることができれば、8月の米PGAツアーのフェデックスカップを制覇した彼は、欧州との2冠を達成することになる。これまでフェデックスカップとハリーバードントロフィーをそれぞれ3回獲得しているが、いまだかつて同年での獲得は経験していない。

ツアー2勝を挙げる見事なシーズンを送ったフォックスは、ニュージランド人選手として史上初となる年間王者の座を狙っている。同3位につけるイングランドのマシュー・フィッツパトリックは、アースコースで羨望に値する記録を誇り、2020年にはシーズン最終戦で優勝を果たしている。

昨季は上がり7ホールで5バーディを奪ったコリン・モリカワが、「DPワールドツアー選手権」がツアーのスケジュールに組み込まれた2009年以降では、米国人選手として初めて同大会の優勝と年間制覇の同時達成を実現した。

10年前の2012年も、世界ランキング1位で乗り込んで最終戦を制した

豪華な顔ぶれが集結

今大会にはDPワールドツアーランキングにおける有資格者のトップ50が集結し、これにはマキロイとフィッツパトリックをはじめ、2年前の「全米オープン」王者であるジョン・ラーム(スペイン)、そして2019年「全英オープン」王者であるシェーン・ローリー(アイルランド)といった複数のメジャー王者が含まれる。

ローリーは、9月に開催された「BMW PGA選手権」でマキロイを1打差で退けて「ロレックスシリーズ」2勝目を挙げた。マキロイ、フィッツパトリック、そしてラームの3人は、いずれも史上初となるシーズン最終戦3勝目を期して今大会でティアップする。

彼ら以外では、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)、そして前週の「ネッドバンクゴルフチャレンジ」でツアー6勝目を挙げたトミー・フリートウッド(イングランド)といった「ライダーカップ」のスター選手たちもフィールドに名を連ねている。

G4Dツアー最終戦

2022年シーズンの終幕を迎えるのに加え、初開催となったG4D(Golf for the Disabled) ツアーもドバイでシーズン最終戦を迎えることになる。障がい者ゴルファーのトップ選手たちは、これまでDPワールドツアーの大会と同じ週に同じコースで開催された6大会を戦ってきた。8人の選手が出場する今大会も、DPワールドツアーのプロがプレーするコースでトロフィーをかけてプレーすることになる。

この最終戦は、11月18日(金)と翌19日(土)に行われ、障がい者ゴルファーの世界ランキングでトップ8につける選手たちがシーズン制覇を目指してプレーする。イングランドのキップ・ポパートは今季4勝を挙げており、同胞のマイク・ブラウンとイタリアのトマッソ・ペッリーノも勝者の輪に加わっている。

世界2位のブレンダン・ラウラーは今季G4Dツアーで2位に3回入っており、昨年はEDGAドバイフィナーレを制覇している。彼ら以外では、米国のクリス・ビギンズ、スペインのフアン・ポスティゴ・アルセ、カナダのカーティス・バークリー、そしてスウェーデンのラスムス・リアが最終戦のフィールドに名を連ねた。

新人王が決定

1960年に始まったサー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞は、ツアーにおいて最も権威のある栄冠の一つとなっている。今季は、ともに傑出したシーズンを送った南アフリカのスリストン・ローレンスとドイツのヤニック・パウルがリードする形でドバイへと乗り込む。

ローレンスは昨年11月に開催されたシーズン開幕戦の「ジョバーグオープン」でツアー初制覇を遂げると、スイスで2勝目を挙げた。一方、パウルは先月マジョルカで、大躍進を遂げる優勝を見せた。それぞれ初出場となるローレンスとパウルは、ツアーランキングをそれぞれ11位と19位として最終戦に臨む。

これまで新人王は、サー・ニック・ファルド（1977年）やラーム（2017年）といった、その後、世界1位に上り詰めた選手たちが獲得しており、その輝かしい歴代リストに加わるべく、今週の大会でティアップする。

メタバースの中のゴルフ

DPワールドツアーはゴルフのゲームにおける新機軸の開拓で知られており、今週の大会に足を運ぶファンは、世界初となるメタバースでの新大会の立ち上げを経験することができる。ツアーはこれまで、仮想現実プラットフォームで世界を牽引するGolF5 eClubでプレー可能なゲームを開発するべく、AAAゲームスタジオと提携してきた。

プレーヤーは、アースコース上がり3ホールの仮想現実シミュレーションで競い合うことになる。この実体験型ゲームは11月10日から25日にかけてプレー可能となっており、今大会来場者はギャラリー村に設けられた専用ゲームエリアにて、競技に参加することができる。

大会の優勝者には、「DPワールドツアー選手権」優勝トロフィーのNFTとDPワールドツアーブランドのオリジナルゴルフバッグが贈られる。この取り組みについて、ヨーロピアンツアーグループのキース・ペリー代表は、「こうした新機軸は、コースの内外において、DPワールドツアー選手権を多次元的な一大娯楽ショーにします」と述べている。