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2013年 ザ・ロイヤルトロフィ
期間:12/20〜12/22 場所:ドラゴンレイクGC(中国)

日本ツアーにマッチプレーがないのはナゼ?

最終日、最終組の最終ホールまでもつれたアジア選抜と欧州選抜の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」は、団体戦、そしてマッチプレーの醍醐味に溢れていた。2日目を終えて5―3と2ポイントリードしていたアジア選抜は、最終日のシングルス戦8試合の序盤2試合を連取して計7ポイントを早々に積み上げ、勝利を確定される8.5ポイントは目前だった。だが、その後の5試合で奪ったポイントは引き分け1試合の0.5ポイントのみ。最終組のリャン・ウェンチョン(中国)がニコラス・コルサーツ(ベルギー)に食らいつき、プレーオフ進出の望みを最終ホールまで繋いだが、最後は大勢の地元・中国ギャラリーの悲鳴と共に、欧州選抜の前に力尽きた。

1対1で1ホールごとに勝敗を決していくマッチプレーでは、ストロークプレーと違う“駆け引き”が要求される。相手が厳しいライにあれば、自分はピンを狙わず手堅くグリーンセンターを狙ったり、逆に相手がすでにピンそばにつけていれば、リスク承知で果敢にピンデッドを攻めるといったことが戦略の基本となる。「マッチプレーは優勝争いに似ている」というのは尾崎直道。目の前の相手に勝つことが最優先。裏を返せば、優勝争いのような緊張感が常に満ちているのがマッチプレー、と言うこともできるだろう。それだけに、見る側にとってもエキサイティングだ。

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ゴルフ発祥の頃は、マッチプレーが主流だった。今でも、「ライダーカップ」や「プレジデンツカップ」はマッチプレーで争われ、米国PGAツアーには「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」、欧州ツアーには「ボルボワールドマッチプレー選手権」といった大会が存在する。だが、日本ツアーでは1975年から2003年まで「日本プロゴルフマッチプレー選手権」というメジャー大会が行われていたものの、今では存在しない。

個人戦マッチプレーが“ウケない”理由として、クライマックスを迎える最終日の決勝戦に2人しか残らない、ということが大きいだろう。テレビ中継の視聴率やギャラリー動員を考えたときに、外国人同士の決勝となったらどれだけの数字が期待できるか? もちろん、松山英樹石川遼が戦うようなことになれば注目度は俄然アップするはずだが、そのリスクを取るよりも、最終日に多くの選手が18ホールを消化するストロークプレーの方が好まれるのは想像に難くない。

だが、「ザ・ロイヤルトロフィ」のような団体戦ならば話は別だ。最終日にはシングルス戦でほとんどの出場選手がプレーをする。

今年で7回目を迎えた「ザ・ロイヤルトロフィ」は、第1回の06年から11年まではタイがその舞台だった。12年はブルネイ、13年は中国で行われ、来年も同じく中国で行われることが決まっている。来年新たに創設される「ユーラシアカップ」は欧州ツアーとアジアンツアーが公認している一方で、「ザ・ロイヤルトロフィ」はJGTOとワンアジアがタッグを組んでいる。この大会を日本で開催して成功に導くことは、日本が担うべき大きな役割といっても良いのではないだろうか。

「ザ・ロイヤルトロフィ」に5年連続出場している石川は言う。「日本で開催されるロイヤルトロフィは、僕にとっては違う意味になってくる。自分の国とチームを背負って、ホームで戦う。ゴルフの幅広さを感じられると思いますね」。

その実現に向けては、日本のファンやスポンサーにマッチプレーの魅力を伝える努力も今以上に必要だろう。国内3ツアーの代表選手が競い合う「日立3ツアーズ選手権」はストローク形式だが、“マッチプレー”を押し出しても面白いだろうし、男子メジャー「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の一部にマッチプレーを導入するという手も考えられる。マッチプレーには、ゴルフの原点に由来する奥深さがあるのは確かなのだから。(中国・広州市/今岡涼太)

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