檜垣繁正が崩れた。それでも16番までは、まだかろうじて可能性はあった。17番ホールで、音を立てて崩れた。ティショットをOB。4打目も乗らず、寄らずのトリプル。昨日までのゴルフが嘘のような内容だった。

「どういう言葉をかけていいか、わからない」と尾崎直道も言う。まだ若かった昔、関東プロで青木功に優勝をさらわれた時の苦い思い出がよみがえってくる。あのときも自滅。「勝った青木さんと握手したときは、悔しくてまともに顔がみられなかった。でもボクにとってはベスト3に入った思い出の試合だけど、彼にとってもそうなると思うよ」
尾崎直道にとっては区切りのいい25勝目。「もともとボクはベスト10に入って賞金を稼ぐタイプのゴルフだからね。2週連続優勝には自分でも驚いてるんだ」

来週は全英オープン。簡単には自分のゴルフをさせてくれない、メジャーの「厚さ」を知悉している直道。「頑張るというんじゃなくて、楽しんでくるよ。この2連勝がうまくかみあってくれるといいんだけど」