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全米プロゴルフ選手権
期間:08/17~08/20  場所: バルハラGC(米国ケンタッキー州)

伸び悩むタイガーに迫る男たち 「プレッシャー・クラブへようこそ!」

2000/08/20 09:00

順位 選手名 通算 合計
1 T.ウッズ -13 203
2 B.メイ -12 204
2 S.ダンラップ -12 204
4 J.P.ヘイズ -11 205
5 G.チャルマース -10 206
6 J.M.オラサバル -9 207
6 T.ビヨーン -9 207
6 S.アップルビー -9 207
9 F.ランガム -8 208
9 N.ビゲイIII -8 208

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ムービング・サタディとはよく言ったものだ。暑くもなく、風もなかった土曜日、選手たちのスコアは大幅に動いた。もちろん、伸ばすことができたのはごく少数で、落とす選手もいれば現状維持もあった。たぎるルツボの中に神様が棒を差し込んで、グルグルッとかき回してみたような3日目だった。

かつてはニクラスの後継者と目され新帝王と呼ばれた50歳のトム・ワトソンが、インに入ってボギーなしの5バーディ。コースレコードの65をマークした。暗い2オーバー(田中秀道ジャンボ尾崎と同じスタートだ)から陽光差す5アンダーへ躍進。もっと派手だったのがホセマリア・オラサバルで、打てば乗る、乗れば入るという天恵の18ホールで、9バーディ63。イーブンパーからスタートして9アンダーにまでたどりついた。メジャートーナメントのタイ記録という。

フィル・ミケルソンも前半はノリまくった。アウトは31で一気に9アンダー。デービス・ラブIIIも34のラウンドで同じく9アンダー。スチュアート・アプルビーは11番時点で11アンダーに伸ばした。スコアボードの上位に名前が乗り、この調子なら首位タイガーに追いつくか・・というところで、ストップがかかる。急にショットが曲がりだす。おいしそうなバーディパットが入らなくなる。ミケルソンの顔が欲求不満でゆがむ。ラブの表情が苦虫をかみつぶしたようになる。いきなり彼らの目の前に大きな看板が出現したのだ。「プレッシャー・クラブにようこそ!」

スコアをほとんど伸ばせなかったタイガー・ウッズを「不調だ」と責めることなんてできやしない。風当たりの猛烈に強い重圧倶楽部の頂点に立ち続けて、それでいてスコアを2つも伸ばした。本人は不満に違いないが、それでもトータル13アンダー。単独トップ。相変わらず優勝確率99.9バーセントであることに変化はないのだから。

地味なスコット・ダンラップが意外なほど健闘している。本人が本当はどう思っているかは知らない。おそらくは無意識だろう。しかし結果的には2日目の中盤、タイガーに追い越されてからは常に首位の背中を見つめながら走り続けてきた。3日目もタイガーの12番ダボでいったん並びはしたが、譲るような形で14番で1ストローク後退。15番でまたタイガーがショートパットを外して落ちてくると、ダンラップもまた17番で一歩後退。そして18番、タイガーが13アンダーに浮上するとダンラップもまた一緒に12アンダーへ。

まるで自転車レースの二番手のような追走だ。プレッシャークラブの会長で、風当たりの強いトップを走るタイガーはどんどんエネルギーを消費し続ける。トップの背中を見ながら走っているダンラップはそのストリームの中で、ただ走り続けさえすればいい。もし最後までトップに追走しきることができて、そして最後の最後ででトップを交わすことができるなら・・という大仮定付きでの話だが、こんな素晴らしい戦法はないのかも知れない。

ボブ・メイ? メイはまだ重圧倶楽部に入会したばかりだ。8番からとんとん拍子で6バーディ。気がついたら2位タイに浮上していた。メイは明日、たっぷりその重苦しさを味わうことになる。多分、そうなる。

この日のタイガーは2番ロングでラフからうまく寄せてまず計算通りのバーディ。7番ロングでもあわやイーグルというイージーバーディ。9番、10番でもバーディ。ここまでは予定の行動だった。だが不安定なショットが12番では左ラフ深く入って3オン。しかもパー逃しの短いパットを更に右に押し出してしまってまかさのダボ。我慢に我慢を重ねて積み重ねてきた貴重な貯金を、たった1ホールで吐き出してしまうのがメジャーだ。13アンダーに後退。

クラブと体の間隔が近過ぎて「左足を打ちそうになるほど」だったというが、ショットは終盤荒れ続けた。15番でもまたセカンドが大きく曲がり、うまくリカバリーしたもののまたもパーパット外し。17番でも入れごろを外して苦笑する場面も見せた。怒るタイガーは珍しくないが、失敗して笑うタイガーは記憶にない。それでも最終18番ロングはもちろん計算とおりのバーディ。トータル13アンダー。なんとか最低限のスコアは作ったという1日だった。それにしても、これだけのコースでこれだけショットを曲げながら、結局は70。「どんな選手でもスコアを崩したりショットを曲げる日はくる。今日がたまたまその日だっただけ」とコメントを残しているが、それでもリードを守っている強さは、やはり次元が違うとしか言いようがない。

明日は戦闘色の赤をまとってくるはずだが、もう一度、ピリッとしたゴルフを見せてくれることを期待しよう。それがタイガー・ウッズのタイガーらしいところなのだから。ついでにミケルソン、ラブIIIの再チャージもたっぷり期待しよう。タイガーが勝つのは仕方ないにしても、やっぱり試合は最後まで面白くあってほしいから。


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